湖東焼赤絵丸鉢
盆器の構図を見てみる。
龍門(鯉幟)の図
中国の正史、二十四史の一つである後漢書による故事で、黄河の急流にある竜門と呼ばれる滝を多くの魚が登ろうと試みたが僅かな魚のみが登り切り、竜に成ることができたことに因んで鯉の滝登りが立身出世の象徴となった。鯉の滝登りの構図です。
朝鮮使の図
徳川幕府は、鎖国令をしき外国文化に接する機会が乏しい状況の中、対馬藩宗氏の懸命なる国交修復の交渉により、「朝鮮通信使」の外交が始まりました。わが国の人々は、「朝鮮通信使」の往来を通じて、海外の文化に接することができました。朝鮮通信使の来訪は、まさに「文明の使者」この時期の貿易の構図です。
麒麟と鳳凰の図
麒麟は中国の伝説の動物。鳥類の長である鳳凰と並んで、獣類の長とされる。王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物(=瑞獣)であるとされ、麒麟、鳳凰、亀、龍、を四霊とされている。
オスの麒麟を麒(き)、メスの麒麟を麟(りん)と呼ぶ
形は鹿に似て大きく背丈は5mあり、牛の尾と馬の蹄をもち、雄は頭に角をもつとも言われる。背毛は五色に彩られ、毛は黄色い。頭に肉に包まれた角があり、本来は1本角であることから(ただし2本角で描かれる例もある)
絵とのつなぎ中央に「叢」「穐」「園」と各面ある。写真は「叢」
鉢底と受皿底の文字。
推測、この鉢も江戸末期に変化朝顔を入れるために、大阪の穐叢園の注文であったろうとおもわれる。作家は特定出来ないが時代を重ねても綺麗な状態で保存されている。希少な盆器である。時代を重ねた盆器は大事にしたいものである。
追記:江戸時代の商人には米や海産物の相場よりも希少な植物の株を高価な価格で売買されていた、中でも、千両様と呼ばれる商人の中に伊藤忠兵衛(いとうちゅうべい])近江出身も名前が出てくる。
現在、井伊直弼コレクションの盆器の詳細を調べています、ある盆器であることは解ったのですがブログへの書込みは詳細を調べてから書込みます。
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